助けて!眠れないんだ!あるいは『永遠の遠足前』を語る

 

 眠れないんですよ!!!

 

 いや、本当に眠れなくて困っている。こんな記事を書いている場合じゃないのだが、私はちゃんとお風呂に入り12時前にベッドに入ったのだ……。それから2時間も天井を見つめ続けてたらこうもなってしまう。本当、2時間あったら何が出来ただろう……本も読めたし、小説も書けた……。少なくとも天井の模様を暗記することよりは有意義なことが出来たはずだ。

 いつもなら眠れないことで悩んだりしない。眠れなくても起きてればいいや、になる。しかし、明日は打ち合わせが……しかも早い時間の打ち合わせがあるのだ。社会に生きる人(いきるんちゅ)である自分は、流石に打ち合わせに遅れるわけにはいかない。だからこそ、あんなに万端にベッドに入ったというのに……。

 でも、原因は分かっている。

 不眠の原因は大きく分けて二つ。
 一つ目はいつもの病だ。何を隠そう私は「次の日予定が入っているとワクワクで眠れない」という『永遠の遠足前症候群』を患っているのだ。この間は永遠コンプレックスを患っていたのにこの病名はどうなんだとは思わなくもないが、やむなしである。
 というわけで、私は「明日の打ち合わせはどうかな~」で頭がいっぱいになってしまい、何だか眠れなくなってしまうのである。これ、真面目に聞きたいんですがみんなどうしてるんですか? 実を言うと、これあらゆるイベントの前にこうなんですよね。私は常に限界の眠気に耐えながらディズニーランドやボードゲームを楽しんでいるんですよ。凄いハンデですね。


 そして二つ目。これがかなりキツい。
 今、絶賛〆切前なのである。
 今書いている小説は、かなり自分でも書くのに苦労する題材を取り上げていて、描写も辛いし展開も辛い、何でこの小説を書いているんだ? と思うようなものだ。私は相当な気分屋であり天啓待ち(なんかよくわからないけど書ける波のようなもの)型なので、気を抜くとこの原稿じゃなくて全然関係の無い小説──趣味で書く脱法小説をがりがり書いてしまう。
 それでも〆切を破るわけにはいかないので、一定のペースで原稿は進めているのだが、負荷のかかる作業なので並行して脱法小説を書き、天啓が来そうな時に原稿に戻り、厳しくなってきたらゲラを読んだり(今日はコルミノの最終チェックをしました)ここ半年進めている某作業をやったりして、次の天啓を待つ。
 このやり方、何がいけないって単純に仕事時間が増える。あと、脱法小説も実際天啓待ちのところがあるので、8000字とか15000字とかだけ書いた脱法が増えていく。集中して原稿をした方がいいのに、無駄に脳内麻薬を長く出し続けてしまう。

 こうなるとどうなるかというと、眠れなくなるのだ。

 そろそろ眠くなってきたのでベッドに入ろうと思っても、長く小説を書き続けていると、なかなか戻ってこられず、目が冴えまくってしまうのだ。それだけならまだしも、天井を見つめながらあれこれ考えてしまう。誰しもがやったことがある、あるいは襲われたことのある『眠る前の妄想』! 私はこの脳内劇場が始まる確率が高く、これが始まると数時間くらい眠れない。朝になる。私の妄想はビジュアルではなく活字で浮かぶので無駄に尺を取るのだ。そして、妄想だから大して整合性が無く面白くもない。これで眠る前の妄想劇場が物凄く面白かったら、それを書き起こすだけで済むのに現実は非常だ。
 それでも考えている時はアドレナリンが出るし、面白くもないけど要素は使えそうなのでいくつかはメモして取っておくし、やめようと思っても完全に脳は起きてるしで、結局まともに眠れたのは二時間だけということが頻発する。作業時間が長くなっている時のこの不眠症はかなり常態化している。今回は夏バテも相まって、これが三週間くらい続いてしまった。

 というわけで、今は不眠の原因二大巨頭が立ちはだかっている状態なのだ。

 これで明日は早い打ち合わせだから寝よう! が出来るはずがない!
 いや、ここまで長々と書きましたが本当に困っている。眠れない時って何でこんなに世界に取り残された気がするんでしょうね? 自宅から見えるコンビニの明かりを見て人間生活を感じ入る夜はもう終わりにしたい。
 というか、この記事には叙述トリックが一つあって、明日の打ち合わせは14時からなんですけど、それでも起きられる気がしない。どうせこれ朝までコースなんだろ!
 なら原稿をすればいいんですけど、眠いと尚更天啓が来ない。全然関係ない脱法小説なら書ける気がするけれど、また未完成の小説を増やすつもりか? この夜中に?
 早くこの終わらない遠足の夜を止めたい。まあ、朝日が昇ればどうせこれは遠足の朝になって、遠足になるんですけど。この不眠と地続きな遠足が終わった後ってどうなるんだろう? 後の祭り?